皆さんは山に登って地図を見るとき、何を目印にしますか?最近はGPSが発達していますから、地図なんて持たないぜ!という方もいるかもしれないですね。ただ、GPSが現在地はここだよ!と指し示しても、若干の誤差はあります。正確な現在地を知るために、周りに見える物、登山道のくねり具合、植生、川、大きな岩や崖、そして送電線。
送電線は山を越えてやってきます。まれに山の中を突っ切っているエクストリームな送電線も黒部のあたりに存在するようですが、目印として非常に有用な存在です。地形図にも送電線が記されてあり、これを利用して現在地を把握した方もいらっしゃることでしょう。ところが、この送電線マークが電子地形図から消えたという話が毎日新聞で報じられています。
国土地理院が「地形図更新するし、送電線の位置情報頂戴よ」と各電力会社に依頼したところ「テロや保安上の問題もあって教えるわけにはいかん」となり、掲載しなくなったとのこと。
たしかに、送電線はインフラを支えていてかつ、屋外に露出していてかつ、わりと脆弱な構造物であります。それでいて万一の問題発生時に与える影響は大きく、送電線が切断されたことによって引き起こされた事故としては2006年に起きた首都圏大規模停電が記憶に新しいところです。
「Google Mapsとかで高解像度な衛星写真手に入る今、電子地図ごときに送電線を掲載したところで問題が起きるとは思えん」というのが識者の意見としてありますが、電力会社としてはトラブルが起きた際の管理責任を問われる可能性があるというリスクを伴います。そう考えると致し方ないかなとも思えます。
普段送電線のお世話になっている人は、送電線以外での位置特定の手段を確保しつつ、熱心なユーザーが「全国送電線位置データ集」をまとめるのを心待ちにしましょう。




